私たち人間にはDNAが染色体にしか存在しませんが、大腸菌とかの細菌には“プラスミド”という染色体とは別のDNAが存在します。
これが不思議なDNAで細菌の体内で増えたり、体分裂のときプラスミドのDNAもそれぞれに受け継がれていくんです。
で、遺伝子の実験では、この便利な機能を利用してよくプラスミドが使われるんです。
プラスミドは輪のような形をしていて、これを“制限酵素”(「制限酵素とは」で説明)で切って別の遺伝子を挿入する。
それを今度は“大腸菌”に挿入して、その大腸菌を“培養”して大腸菌を増やすとプラスミドも一緒に増える。で、最後にその大腸菌からプラスミドを取り出せば・・・ガンのお薬になったりワクチンになったり、あるいはこのプラスミドがタンパク質を作ってくれて、そのタンパク質を薬とかに利用したりと便利なDNAなんです。
ところで、大腸菌と言うと“病原性大腸菌”とか、特に有名なのがO(オー)157がありますね。「そんなコワイ細菌を使って大丈夫なの?」でもご心配なく。大腸菌には“株”と言われる家系のようなものがあり、有害な大腸菌もあれば無害の大腸菌もあるんです。
実験には害のない大腸菌を使い、さらにプラスミドDNAを組み換えた大腸菌が外界(私たちが普段生活している場)に出ないように実験装置の中や密閉された部屋の中で実験をするように決められているんだ。
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